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June 20, 2005
写真
「時代を切り開くまなざし -木村伊兵衛写真賞の30年-」最終日にようやく行ってきました。
時代を切り開くまなざし -木村伊兵衛写真賞の30年- 1975-2005
2005年4月23日(土)〜6月19日(日)
●日本の写真界をリードしてきた木村伊兵衛写真賞30年の軌跡を辿る展覧会です。
●最新受賞者を含む受賞作家36名全員の作品約400点を一挙公開します。
●木村伊兵衛のカラー写真作品「Paris 1954-1955」を約30年ぶりに公開します。
木村伊兵衛さんという方は、お弟子さんたちには写真は被写体に肉薄してフルフレームだとかかっちょいいことおっしゃっておきながら、ご自身は有名なあの脚の写真もこそこそと撮ってきてトリミングで仕上げてるんですよね。ご令嬢(だったかな?)が回想してちょっとヘタレだったというようなことを書いていらっしゃいましたが、そういうところは人間味感じてとても共感します。実際、ベタをみた印象でいえば、機材のフレーミング誤差を補正するというより普通にトリミングしてる。今回みてきたパリのカラー写真も全体的な基調は逃げ腰の目線。よわよわ感がよかったです。
さて、朝日新聞社がその木村伊兵衛さんの名前を冠した木村伊兵衛写真賞。「写真界の芥川賞とも形容される」んだそうです。要するに権威ですね。直木賞は土門拳さんなんでしょうか。ぼくの場合、写真は「欲しいか、欲しくないか」「自分のものにして飾りたいか、そうでもないか」という基準でみています。だから権威はあまり気になりません。今回も欲しい写真は数枚ありました。意外にもあまり多くはありませんでしたが。
2000年度、長島有里枝さん、HIROMIXさんとともに女性作家3人受賞で話題になったひとり、蜷川実花さんがどこかのインタビューに答えて「父が妙に喜んでくれたので木村伊兵衛賞の特別さを実感した」というようなお話をされていたと思います(言うまでもなくお父さんは有名な演出家です)。よくも悪くも権威ですね。そしてそれだけに受賞作の多くは狙って穫りにいってる感じがして、作品が戦略的です。ちょうど読んでいた本の影響で、広告代理店のプレゼンテーション、それも特に競合プレゼンを連想しました。クリエイティブだけじゃない、その表現がたとえば「木村伊兵衛賞」というクライアントの利益に貢献するということを認めさせるプレゼンテーションの戦い。特に近年の戦いに勝った作品はとてもお洒落です。ブックつくって売り込んで歩いて、そもそものアプローチが広告的ですものね。
でも、負けても、写真集売れなくても、個人が独占欲をかき立てられるような欲しいなと思う写真もまた素敵ですよ。
ところで、写真展やギャラリーで生の作品をみる一番のよさは、銀の粒子が立っているモノクロ印画紙の質感が気持ちいいのと、それから、作家が見せたいと思っているサイズを実感できることですね。佐内正史さんのグランドの写真はあんなに大きくみるものだったんですか。ちょっとやられました。
そうそう。蜷川実花さんのちょっと大きなサイズの作品に囲まれて思いました。FlickrのCatchy Colorsなひとたちはきっとこのひとの写真をとても気に入るでしょうね。そんなわけで、Catchy Colorsグループのストリームを最近お気に入りのFlickr Albumでどうぞ。
投稿者 yam : June 20, 2005 03:54 AM

